[コメント] 東京プレイボーイクラブ(2011/日)
勢いと力まかせの勝利(大森南朋)の生きざまが、やるせなく切ない。非正統派ハードボイルを正当に継承する負けざるを得ない者たちの物語。終始、何ひとつ人生を実践しないエリ子(臼田あさ美)の嘆息まじりのやり直し願望にも敗残へ向かう哀れがにじむ。
70年代の松田優作映画の胡散臭さとタランティーノ的唐突さで暴力を行使する松竹梅(佐藤佐吉、赤堀雅秋、三浦貴大)三兄弟。暗澹たる色調の画面に、ときに唐突に、ときにわざとらしいまでの思い入れれで流れる神代辰巳や田中登作品を彷彿とさせる素敵に俗っぽい楽曲のセンス。たまりません。
若干24歳の奥田庸介が荒けずりながら醸し出す負の気配は、日本映画に耐えて久しい、ある種の強靭さ(それは、たいてい不器用さという負に転換する)を持ってしまった故に、社会からはみ出す負け犬たちの悲しみ。私はこういう映画が大好きです。理屈抜きで。
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