[コメント] アニマル・キングダム(2010/豪)
ハリウッド・スターとは懸け離れた芋面どものあたふたを眺める愉快はある。主人公の少年に一向に主人公らしさが与えられないのはもちろん作者の期するところで、ゆえに却ってラストシーンが決まる。全般に官憲の登場の仕方もいい。ただし、題名が期待させるような畑正憲的展開を確認することはできない。
キャラクタリゼーションの点で注目を集めやすいのは主人公の少年ジェームズ・フレッシュヴィル、祖母のジャッキー・ウィーヴァー、その長男ベン・メンデルソーンあたりだろうが、最もえげつない野郎は三百代言のダン・ワイリーではないかとも思う。こういう「社会的な」ワルの登板によって、映画は一家の狂気を観察・記録する単線的なエンタテインメントから脱している。
(評価:
)投票
このコメントを気に入った人達 (0 人) | 投票はまだありません |
コメンテータ(コメントを公開している登録ユーザ)は他の人のコメントに投票ができます。なお、自分のものには投票できません。