[コメント] バッド・ティーチャー(2011/米)
俗に云う満点大笑いである。弁解の余地なしのアブノーマル学園。口を開けば猥談ばかりの体育教師ジェイソン・シーゲルなんぞはまだ可愛いほうで、校長ジョン・マイケル・ヒギンズは常軌を逸したイルカ狂い。「王子様」ジャスティン・ティンバーレイクまでもがデニムの触感に一家言を持つ着衣交マニアだ!
口当たりのよい道徳的教訓など微塵にも含まない下劣な喜劇であるからこそ、キャメロン・ディアスがいかに高性能を誇るコメディエンヌであるかを雄弁に証し立てている。たとえ演じられるのが尊大で自己中心的な銭ゲバの好色女、という誉められたところをまるで持っていないキャラクタであっても、コメディエンヌとしての人格ゆえに私たちは彼女を愛さずにいられない。
体育館で横一列に並ばせた生徒に剛速球をぶつけるシーンだとか、常識のメータを振り切った爆笑シーンは枚挙に暇がない。このディアスにとって刑法の概念など存在しないようにすら見えるが、シーゲル、ティンバーレイク、ヒギンズ、そしてルーシー・パンチらも平然とディアスと共存し、ときには非常識の度合いにおいて彼女を凌駕さえもしてみせるのだから、もっぱら笑いの量を基準とする限りではこの映画を傑作と呼ぶことにいささかの躊躇も私は覚えない。
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