[コメント] サンザシの樹の下で(2010/中国)
緑の濃淡だけで描かれる川沿いの山道など上品で好感度高く、これを背景にした若い男女の微笑ましい恋愛のスケッチで済ませばよかったのに。
**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。
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収束のメロドラマな安物振りには椅子からずり落ちた。監督は文革批判のためにメロドラマの力を借りようとしているように見えるが、この物語では二人を引き裂く原因は何でもよく、文革も結核も変わらない。結果、幾らでもある悲恋なメロドラマにしかならず、文革批判になっていない。『妻への旅路』に比べれば、この青年の死は軽すぎる。
文革批判をするのなら、例えば学校の仕組みや男の側の職業と文革との関わりなど、別に詳述すべきことは幾らでもあったはずだ。なぜそんな当たり前のことをしないのか、中国人なら説明されなくても判ることなのか、それとも詳述すると具合の悪いことがあるのか、そこら辺りのニュアンスが判らず隔靴掻痒。まあ、機微に触れる話題が判りやすく提示される訳もなく、隔靴掻痒がリアルということなのだろう。本作は実話らしいが、実話だからこそ遠慮のために描かれないことも多いのだろう。
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