[コメント] 亀、走る(2009/韓国)
これは面白い。2時間強、飽きさせぬ勢いが続く。優柔不断で、いかにもどこにでもいそうなふにゃふにゃ警察官がやるときにはやる、といった感じが色濃く出て、我々の人生観まで親近感を持たせてくれる。
**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。
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『チェイサー』と主演者といい、話の展開といい、よく似ている。しがない普通の刑事が悪に対してしつこいほど、相手がへとへとになるほど追いかけてゆくといった、ねちねちものだ。その間随分へまばかりしているんだが、追いつめるといった執念だけで話をぐいぐい持っていく。観客も気持ちを同一化してしまう。
今回の悪人は脱走犯だが、『チェイサー』のような異常者ではない。むしろ一人の女をけなげに守る悪人ではあるが、男の中の男でもある。だから、観客は彼には憎しみを覚えない。でも、刑事に気持ちが入っているから、そうは言っておれなくなる。
また『チェイサー』と違って家族の風景が基本に存在している。主人公はどこにでも居る市井の人間なのである。ズッコケはするがやってやれないものはないと確信(妄想)するのである。
ほんと、どこにでもいそうなフツウのオッサンである。だからこそラストはとても明るく、小さな希望を観客は持って映画館を出ることができる。好きだなあ、この映画。韓国でヒットした理由もわかるよ。
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