[コメント] 骨までしゃぶる(1966/日)
これも本当に全編ローアングルなのだが、話の運び、或いは繋ぎがスムーズで違和感がなく、アングルが気にならない(ひっかからない)のだ。そういう意味で絶好調の加藤泰と云えるだろう。
また、見た者は誰もが忘れられないであろう効果的な素早いズーミングが2カ所ある。これも、ホントにズームってこう使って欲しい、というお手本のような演出だ。まず1カ所目は遊郭内の杭打ちと桜町弘子の決意の表情をクロスカッティングする部分。こゝで杭打ちにズーミングする。2カ所目は、エンディングで桜町に対して行われる。いずれも登場人物、或いは作者の感情がフィルムに乗っかった、さらに観客の感情もフィルムに乗っけようとする演出意図が明確なズームなのだ。
#備忘で配役等を記す。
最初に村へ来る女衒は汐路章。郭の旦那さん(お父さん)は三島雅夫、女将さん(お母さん)は三原葉子。やり手婆に菅井きん。いずれもこれ以上ない適役。
お姉さん達で宮園純子、久保菜穂子、沢淑子、桑原幸子、石井富子(トミ子)ら。
最初の方の客で吉本新喜劇の平参平が出ており懐かしい。警官で芦屋雁之助、医者役で芦屋小雁。救世軍の代表は穂高稔。警察署長に遠藤辰雄。
夏八木勲はクレジットに「新人」と出る。酔っぱらって前後不覚になったところを先輩職人に連れられて来た、という設定でイノセンスを確保する。
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