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[コメント] メリダとおそろしの森(2012/米)

全体的に急ぎすぎ。ピクサーの作品群は人物造形にしろ、展開にしろもう少し丁寧に描いている印象があるが、本作はせせこましい印象を受けた
Master

**ネタバレ注意**
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事前の短編が2本あった段階で「あれ?」と思ったのだが、本作は話の内容にしては少し短すぎるように思う。

そのためかストーリーの転換ポイントの全てが唐突。メリダの幼少期・「反抗期」、女王によるメリダへの理解、メリダによる女王への理解というようなポイントがあるのだが、鉈でぶった切ったような展開をしてしまっていて、あまり連続性を感じない作りになっている。

これはネガティブなサプライズである。少なくとも女王がメリダを「許す」というかメリダの考えに理解を示す箇所は、もっと丁寧に理由を積み上げるべきだったと思う。女王はいわゆる「女王らしさ」をメリダに求めていたわけで、森の中でメリダが見せるサバイバル技術は女王にとって意味がないものであるはず。

にもかかわらず、「伝統」をかなぐり捨てることを一瞬即発の「交渉」の場でメリダに宣言させるという展開に、本作は説得力を持ち合わせていない。

あと、魔法を解く方法として「タペストリーをつなげる」という案を最後まで引っ張るが、これは王が乗り込んでくる以前にタペストリーはつなげさせて、その解決策は不正解であることを示した方が良かったのではないか。女王の裸体を隠す以外の効果がないのなら、正解である可能性をラストまで残す必要はなかったと思う。

以上、どうも短編も含めてピクサーらしからぬ作品であった。

(2012.7.21 シネプラザサントムーン)

(評価:★3)

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