[コメント] エイトレンジャー(2012/日)
映画を見終った人むけのレビューです。
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ジャニーズは大晦日のカウントダウンライブくらいしか見ないのですが、関ジャニ∞はその中でも異色な感じがして、気になっていました。 “関西”であるせいか、アイドルなのに三枚目であることを求められていて、またそれに全力で応えている姿が、何かけなげで可愛いなあと思ってしまったりなんかして。
しかしこの映画は、彼らの三枚目・駄目なキャラクターは予想が付いたものの、世界観の絶望度の高さには、ちょっとびっくりしてしまいました。 全体からいって、八割絶望、二割希望くらいじゃないですか。 続編を作るためなのか、これがエイトのカラーなのか…。
客観的に言えば、世界観やキャラクターの設定が生かし切れているとは言い難いし、ストーリーももっと山場が欲しいところではあるのですが(そう考えると、この映画は低予算なのか)。
横山裕の可愛さはちょっと異常な気がする…。
続編でのストーリーの深まりに期待します。
<追記1> だんだん色々と思い出してきました。
回想シーンを版画風のスライドショーでやるというのは映画としてどうなんでしょうか。 劇画的な世界観をより描き出していた? 恐ろしげな絵が、暗い世界観をより描き出していた? まあ、予算(時間?)がないということかなあと思いますが…。
世界観のほころびについて。
・鬼頭は多分殺人の罪で刑務所に入っている(刑務所には全く近未来らしい演出がなかったですね…)けれど、冒頭で三枝が人を硫酸運河に突き落としたことは問題になっていない(法的にも、倫理的にも)。冒頭だから、そういう世界観なのかと思って見ていたが、結果的に矛盾していると思う。
・さらわれた子供たちは、臓器を売られたりもするとナレーションで言われていたと思う。が、ラストに描かれたシーンでは、誘拐されて無理やり他人の子供になっているという悲しい結果ではあるものの、裕福な暮らしが与えられ、さらわれた子供の行く末としては甘めの展開になっている。 総統の過去や思想があまり描かれていないので(最初の殺人の動機も分からない)、彼がどういうキャラクターなのかつかみにくいけれど、“鬼頭の母親を裏切って警察へ突き出した男”のように、実は良い人でした、というオチが待っていそうで怖い。歪んだ正義感を貫いてくれれば良いが。
私自身は関ジャニ∞という存在そのものを興味深く見たのと、荒廃した近未来という設定に弱いので(現実世界が既に荒廃した近未来そのものなんですけどね)、この映画の評価が高めですが、何か抜けてますね。 せっかくの設定なので、腕のある人がきっちり作ったら見応えのあるものになるはずなんですが。 アイドル映画ということで、企画側がこのレベルでOKとしているのでしょうか…。
<追記2> (エイトレンジャーではなく)関ジャニ∞に求められているキャラクター自体が、中央都市の求める地方都市の人間像なんですよね。だからこそ、映画の中で、彼らは東京シティの外に住んでいるのでしょうね。 うーんやっぱり、“よくできた”続編が観たい。
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