[コメント] この空の花 長岡花火物語(2012/日)
感情たれながし映画。晩年みなこの感じかな。転校生から始まる尾道3部作(初代)がなぜ実現したか。ここにこの監督と時代の幸せな関係を見る。晩年の大作が失敗作ばかりなのは監督が変わったんじゃない。時代とこの監督の関係が変わったんだ。
結果大林監督はいいとこのお坊ちゃんだと思った。ジャーナリズムとご当地観光振興をテレビコマーシャルの技法で映像のサラダを繰り出した作品。大手の映画会社から離れて映画を作りつづけるためには、行政の援助を受けなければならない。そこで地元観光のシーンを長々入れる。大好きな若手女優を発掘して、自分のイメージを見たい。セーラー服の女子高生がサーカスみたいに一輪車の乗っている、ってやはり変態の好みだよね。これを許している奥さんが偉大。
画面の作り込みはすごい。が自家薬籠中の常套手腕。背景と前方人物の配置、パンフォーカス、どぎつく強調したライティング。カット割りの細かな進行に饒舌な説明ゼリフ。抑制なく繰り出されるお手軽な他者目線。持続する感傷的なBGM。どれをとってもこの監督の生理だと思う。これに馴染むのに時間がかかる。抑制なく散開する焼夷弾みたいに大量にばらまかれるコラージュはハウスの時代と変わらない。
後半の高校演劇みたいなのは舞台で見ると迫力あると思う。嫌いな手法だけど。 1周忌記念のwowow特集を録画してみた。あと何本かあるので、少しはいいい思いができるだろうか。
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