[コメント] 抱かれた花嫁(1957/日)
ありがちな結婚喜劇で戦前の保険映画みたいでもあり、押しの強い高橋貞二の辛気臭い造形が前面が出ていて観ていてシンドイ。ただ、過ぎし日の浅草レヴュー回想の脇筋は美しくていいものだった。
**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。
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本筋は寿司屋の看板娘有馬稲子の結婚喜劇。高橋貞二に相対するは老舗のボンボン永井達郎でこれがナヨナヨとした奇怪な造形で印象的。一方の高橋も高千穂ひづるがつけ狙う。しかし永井も高千穂も半端に脱落してしまい興がない。高橋は永井と一緒に寿司屋修行、マグロ捌いて、クリスマス島の水爆実験マグロ、放射能入っているとブラックジョークを飛ばしている。
面白いのは今は堅物の有馬の母望月優子の来歴で、昔の浅草を愛していて、かつてのスタア日守新一見たさにストリップ小屋に出掛けて彼が♪恋はやさし野辺の花よとボッカチオ唄う姿に涙、日守に会って苦労なさっているんですねと涙、ふたりでデートしてレコードかけてもらって「マルタね」といい当てる件があるがこの曲は判らなかった。日守と社交ダンスする望月に美しいものがある。もっと浅草絡みの俳優が使えなかったのかなとは思わされるが(望月はムーランルージュ新宿座、日守は蒲田の大部屋出身)。
望月は「私たちのような悔いを残さぬよう」と若い者の恋愛認めるという収束は定番だがいいものだった。寿司屋が火事になり、しっかり者の有馬が冒頭に望月が止めてしまった火災保険続けていて助かるという展開は、戦前の郵政省主催の保険映画に似る。カラーワイド。
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