[コメント] トガニ 幼き瞳の告発(2011/韓国)
むろん直視するには覚悟と忍耐を要する惨たらしい事件で、事件そのもの、また裁判の進行に対しても「こんなことがあってはならぬ」と義憤に駆られたりするのだけれど、何が最も禍々しいかと云えば、海原はるか師匠を邪悪にしたような双子のおっさんの顔面である。というのが両価的で映画らしい不謹慎だ。
**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。
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それは多分に「韓国映画らしい」とされる通俗性のことでもあるだろう。双子の容姿の等しさが法廷劇におけるサスペンス(加害者は校長か行政室長か)を呼び起こすに至っては、呆れ返りながらも確かに動悸の高なりを強いられる。さらにここで「音楽」に重要な役割を負わせるというのはほとんど禁じ手にも思えるが、楽曲のよさも手伝って、半ば無理矢理に展開を正当化する力を持っていると認めるにやぶさかではない。
また聾唖者の映画にふさわしく、表情(とりわけ瞳)と身体動作による表現の強化も試みられている。ただしこのあたりは、演出の力というよりも子役ひとりびとりの功績と云いたいところだ。子役の充実ぶりも最近の韓国映画に共通するストロング・ポイントだろう。
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