[コメント] マジック・ブレード(1976/香港)
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攻撃を仕掛けるものには子どもだろうと女だろうとオカマだろうと容赦ない傳紅雪大侠。はじめのその容赦のなさぶりに痺れる。そののちにミス・秋や病気の女の子に見せる優しさ、孤独な身の上の悲しさ。まったくもってハードボイルドなヒーローだよ。また武器を持たない女子どもは攻撃しないというスキが、いつかこの人このせいでやられちゃいそうだ、と観ているこっちをハラハラさせる。こんな甘っちょろいヒーローはダメだという方もいるかも知れないが、私はもうこの傳大侠にガッチリ心を捕まれちゃったのだ。ティ・ロンは佇まいに品があるからこういう役がとても似合うなあ。
アクションはティ・ロン対ロー・リエの一回戦がいい。また次々襲いかかる敵が人柄・攻撃法共にバラエティに富んでいるので見ていて飽きない。ただお話しの方はそれに比べるといまいち。孔雀爆弾がなんかあまり迫力ないのと、途中から出てこなくなるロー・リエが悪役なのだなとすぐにわかってしまうのが痛い。まあその後の本物の羽氏登場にはちょっと驚いたけれども。
で、羽氏を倒し、「富も権力もいらん、殺されるのを待つのもまっぴらだ」と去っていく傳大侠。ではいったい何のためにあなたは戦うのか。この映画はそれに答えはしない。所々に挿入される傳大侠の甘さが、彼が答えを出せずに迷っていることを感じさせる。天下第一快刀・傳紅雪は何かを追い求めながらも、何かを断ち切るようにこれからも生きてゆくのか。この余韻が何とも言えない。 ティ・ロン、男前!
ただ、これがティ・ロン&チョウ・ユン&クー・ルンの最高傑作とは思わない。傳大侠のキャラクターはとても素敵だけれども、純粋な剣劇やティ・ロンのエレガンス、チョウ・ユンの豪華セット、ミステリーのひねりを楽しむのなら同コンビの『楚留香』の方が上だと思う。リン・ユンかっこいいし。やっぱりあの刀がポイント高いからかしら? それともちょっぴりエッチなシーンがあるからかしらん? いや、そんだったら『愛奴』のほうが上だよ。
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