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[コメント] ジャッキー・コーガン(2012/米)

いわゆるハリウッド映画から遠く離れた野心作。原題の持つ意味が大きい。
ペペロンチーノ

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
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「ジャッキー睾丸なんて言われたら見なきゃいけないよね」と園子温がシモネタ言っていたけど、本当はKilling Them Softly。 これをどう訳すかはその人次第だが、映画の宣伝では「優しく殺す」って使ってるね。 んー、それも少し違うような気がするんだ。

この映画、ブッシュやオバマの演説を流しながら、画面上で描くのは金、ヤク、酒、そして「ビジネス」。 おそらく、この映画が意図しているのは、理想とは裏腹のアメリカの病理を描くことなんだと思う。 殺し屋ブラピ大活躍の娯楽映画を期待すると痛い目にあう。

そう考えると、この映画の原題「Killing Them Softly」のThemが指すのは、殺しのターゲットのこと(だけ)ではなく、アメリカ国民全てを指しているんじゃないだろうか。 アメリカという国が「そっと殺されている」。 そういう野心作なんだと思う。

ただ、凝ったギミックが活かされてる映画じゃないよね。 この題材なら、素朴だけど力強い画面の方が合っていたと思う。 つまり、小手先の技術ばかりに目が行って、魂をえぐる作品にはなっていない。

(13.05.03 ユナイテッド・シネマとしまえんにて鑑賞)

(評価:★3)

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このコメントを気に入った人達 (1 人)お珠虫[*]

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