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[コメント] リアル〜完全なる首長竜の日〜(2013/日)

久々に撮ったと思ったら酷評だらけで、とにかく僕の周りでも評判の悪いこの作品。僕も一度レビュー書いた時は「面白かったが、いつもの黒沢清じゃない」とか「原作選びで失敗しているんじゃない?」とか色々書いたんですが、もう一度観直しました。
ギスジ

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







基本ホラーサスペンスな展開ですが、今回はホラー的な要素は少ないと思います。「ギョッ」とはするが「怖い…」まではいかない感じですが、けど黒沢清の恐怖感の表現は上品で好きです。お化け屋敷的にいきなり画面からバーンと登場してくる下品な驚かせ方なんかしません。「ココで出るのか?」と思うタイミングをわずかに外すんですよね。あの辺は流石だなーと思いました。

僕はこの映画を「大恋愛映画」として観ていました。佐藤健が自分が昏睡状態であることに気づかせられるシーンがあるんですが、「あ〜、実はオレが意識不明だったんだ…」とちょっと笑った感じで言うんですよ。そして「彼女じゃなかったんだ…」と言うシーンで「グッ」と感動しました。佐藤健が、綾瀬はるかを必死に助けたい一心で「夢の中でだが」何度もセンシングしたり、首長竜を探したり、田舎にいったりと悪戦苦闘しているのを観ていたので感動したんでしょうね。とても素晴らしいシーンだと思いました。この映画で佐藤健を初めて知ったんですが、セリフの言い回しが独特でいいですね。若干キザな感じはするんですが嫌みじゃない感じで好きです。

後半モリオから逃げながら、二人が手をギュッと握って歩いてるシーンはとても好きです。なかなか無いですよね、成人した男女が手をつなぎながら歩くシーンって。小学生じゃないんだから笑。綾瀬はるかはきっと「もう絶対彼を一人になんかしない!」と手を握り続けたんでしょうね。彼は彼でいままで一人で怖かったんだと思うんですよ、今までモリオにポカポカ殴られてたからな。なんで大人げなく堂々と手を握れたのでしょうね。

あと中谷美紀はとても怪しかった。もう怪しすぎて良い意味で笑ってしまいます。黒沢清映画にはかかせないですね。特に後半、佐藤健の寝ているベッドに忍び込んできて「浩市さん、起きてますか〜?」と耳元でささやくシーンはゾクゾクしました。多分ほぼ毎日忍び込んできては佐藤健に語りかけてたんでしょうね。「今日は何されたんですか〜。」とかさぁ。たまならいですね。

まぁ、点数付けたら100点じゃないと思いますし、黒沢清の過去の作品と比較してもやっぱり違和感はあると思いますが、僕はこの作品はとても大好きなんだよな。なんで、いろんな人に観てもらいたくて普及活動してるんですが反応は良くないですね。かみさんにも観せたんだけどやっぱり爆睡でした。理由は「センシングのシーンで何度も行ったり来たりしてて長い!」だそうで…クソ。WOWOWで録画して観たんだけど今回はひさびさにブルーレイでも買おうかな

(評価:★5)

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