[コメント] 霊魂の不滅(1920/スウェーデン)
100年前、1920年頃はディゾルブ繋ぎのポン寄り(カット・ズームイン)が、世界的な流行だったと分かる。またヴィクトル・シェーストレムは、演者としても圧倒的なパフォーマンスだ。出演作として『野いちご』しか見たことがなかったのだが、当時のハリウッドが注目したのも当然の、偉大な映画人だったことを再確認する。
画面造型としては、まずは、墓場で死に神(死の使い?)が馬車で登場し、シェーストレムを連れまわす一連の場面の二重露光の処理が分かりやすく面白い。また、シェストレムの奥さんが、酒に溺れて狂暴になった彼を、台所に閉じ込めた後の場面、斧でドアを叩き破り奥さんを追い詰める演出は、『シャイニング』でキューブリックが引用した有名な部分だが、流石にこんなに酷似しているとは思っていなかった。こゝも見事なカット割りなのだ。プロット構成も、現在と過去を行き来する知的なもので、若干分かりづらいところもあるが、時間を錯綜させることでの、切なさの醸成も見事だ。
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