[コメント] トゥ・ザ・ワンダー(2012/米)
やっぱり殆どプライベートムービーだ。もちろん我々がハンディカメラで子供を撮ったものとは大違いの、極めて美しく撮られたプライベートムービーだが。しかし、人物の背後や斜め後方から回り込み、人物の側面を映すような手持ちの移動が延々と続いていたような気がする。
アクション繋ぎをする気はさらさらなく、ジャンプカットだらけ。リバースショット(切り返し)なんて記憶にないし、フィクスに見えたのは風景等の空ショットのみ。これだけの徹底は大した芸だとも思いますが、私は映画の王道は切り返しとアクション繋ぎでスリルを醸成することだと思っているし(ちょっと単純化して云ってるけど)、移動もトラベリングやクレーン移動が好きなので、まあ本作のような映画は好みではありません。(これがテレビドラマやドキュメンタリーならまた違うと思います。)
さて、とは云え、実を云うと案外ラストまで緊張感を持って見た。それはオルガ・キュリレンコとレイチェル・マクアダムスの被写体としての魅力(もちろん演技を含めて。そして、そうヌードも含めてですよ!)に拠るところが大きい。ハビエル・バルデムの牧師も雰囲気がある。でもね、やっぱり正面バストショットも使わずに、独白の支えだけではフィルムに感情が乗っからない。もとより、彼らが(特にベン・アフレックが)、何を思って判断し行動しているのか、なんて全然伝える気がないことも見て取れるけれど、ちょっと厳しすぎる演出ではないでしょうか。
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