[コメント] ガッチャマン(2013/日)
中盤綾野剛と初音映莉子の会話場面において初音映莉子が画面の左の方からフレームアウトした後そのままカットを割らずに1カットで画面の右からフレームインする。まるで阪本順治『座頭市 THE LAST』終盤の殺陣のようである。これがうまい演出かどうかは議論の余地があろうが少なくとも何も考えずに撮っている人間がこのような演出を試みるとは思えない。
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映画を見終った人むけのレビューです。
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この映画の初音映莉子は円・回転のモチーフと共にある。綾野剛と初音映莉子を繋ぐものは指輪=円形の物体であり、中盤中村獅童からその姿を変え正体を現す場面では身体を一回転させている。その後綾野剛の周囲を円を描くように歩き、ベルクカッツェに変身する場面では彼女の回りを回転しながらカメラがその姿を捉えていく。終盤のアクションシーンでも円形の足場の上でマントや剣を円を描くように振り回し、最後の決着では黒と白のマントが円を描く様子が俯瞰で捉えられている。このように円・回転と悪女(ファム・ファタール)というモチーフが関連付けられていることから本作を例えば『めまい』のようなメロドラマ、フィルム・ノワールに連なる作品として見るのは少々こじつけが過ぎるだろうか。
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