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[コメント] そして父になる(2013/日)

表情やしぐさや小道具が、沈黙のまま、双方の親子の内面を語りかける。その手法はさすがと思ったし、考えさせられることも多かった。ただ・・・
お珠虫

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
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そもそも、たとえ血が繋がっていなかったとしても、6年間も実子として育てた息子を、手放すことを本気で考えたりするものだろうか。良多はともかく、特に母親たちには考えられないことではないか。たしかにみどりは強く自己主張するタイプとして描かれてはいないが、昭和40年以前であればともかく、この時代、泣いてでも「実験」を止めようとするのではないだろうか。 ・・・と、まあ、そもそもの前提が腑に落ちないという面もありましたが、慶多が父の声を聞いて押入れに隠れる姿、そして、「パパなんかパパじゃない」という言葉にはずっしりときました。良太は、慶多が自分に似ていなくて気に入らなかったかもわからないが、慶多にとっては、やはり、たったひとりの父。だが、父の側にはそれはあてはまらない。母は最初から母だけど、父は、父にならないといけないのですね。タイトルの付け方といいい、テーマといい、「巧い」と思いました。

(評価:★4)

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