[コメント] パッション(2012/仏=独)
3.5点。4回笑った。サスペンスは、無い。デ・パルマが往年のデ・パルマらしいハッタリを繰り出してきたからといって喜ぶほどファンでもなし。夢と現実の往還もベッドサイドのラストショットも『殺しのドレス』の変奏じゃん笑 といいつつも監督なりに進歩してるなと感じたのは・・・
画面内に頻出するモニター画面や鏡、物語の転換点として配置される監視カメラやアイフォンの映像、こうした拘りはフェイク・ドキュである『リダクテッド』(未見だけど)を経て、デパルマなりに分割画面(フレーム内フレーム)の可能性を追求しようとしているのか。女優陣もどこか鏡像のように撮られている。第1ショットと同じショットが終盤繰り返されることにも注目したい。
また、本作での分割画面は、一方では物語上の殺人に到る過程が映し出され、もう一方では物語に関係の無いバレエ「牧神の午後への前奏曲」が延々と撮影されている。この部分がまるでエイゼンシテイン全集第6巻に収録されているモンタージュ理論言うところの、ショットとショットを『衝突』させているかのような効果を生んでいて興味深い。デ・パルマ流スプリット・スクリーンの到達点ではないか。
それにしても、黒服の女といい、螺旋階段の俯瞰といい、妙にゴージャスな映像の質感といい、今回は何だかダリオ・アルジェントと共通するものが目立ったな。撮影はホセ・ルイス・アルカイネ、アルモドバル映画よりもエリセの『エル・スール』の撮影者として記憶されるべき人物。
とりあえず「パッション」で再認識したのは、デ・パルマは変に巨匠ぶるよりぶっ壊れて暴走してくれた方が面白い。蓮實重彦は確か『フューリー』を「歴史に残る下手糞さ」と酷評してたと思うが・・・それでも私には嫌いになりきれない部分がある。
・レイチェル・マクアダムスみたいな性悪糞ビッチ、普段の生活の中では絶対近づきたくないが、めっっっちゃエロそうだし一夜限りの関係なら全然アリだな笑(屑)
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