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[コメント] ムード・インディゴ うたかたの日々(2013/仏=ベルギー)

「リニアモーター牛」は文字で見れば面白いけど、実際に絵にしたら面白くない。そういうことですよ。
ペペロンチーノ

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







ディレクターズカット版を鑑賞。

割と最初の頃に、髭を剃るんじゃなくて瞼をハサミで切るシーンがありますよね。 これたぶん、文章で読んだら面白い表現だと思うんです。 実際に画面で見せられると「何だ?何だ?」って思っちゃうんですよ。この「何だ?何だ?」を延々見せられる。ヤン・シュヴァンクマイエルを観に来たってんだったら、それなりの心構えもあったんだけどさ。しばしば書いてますが、映画は「何だ?何だ?」って引っ張るのは限界があって、「どうなるんだろう?」じゃないと持たないんです。

事前情報を知らずに観て「古臭い話だな」と思ってたんですが、原作は1946年だそうで。そうした古い話をギミックで装飾してるのかと思ったら、原作も摩訶不思議な話なんですってね。 最初に書いたように、文章の“摩訶不思議”を映像で表現しても読者・観客の受け止め方はだいぶ違うと思うんです。やっぱり文法が違うんですよ。有り体に言っちゃえば、何か伏線なのかと思っちゃうんですよ。それがあんまり続くもんだから、結局「やりたいだけ」のギミックに思ってしまう。

で、その手のギミックを「やりたいだけでしょ」と思って無視すると、「古臭い話」だけが残る。いやもう古臭くてつまらない。そりゃ古い小説だもの・・・と思ってたけど、この直後に1936年原作、1942年製作の『郵便配達は二度ベルを鳴らす』を観たら、面白いんですよ。話自体が面白い。

いや、もしかすると面白い話なのかもしれませんがね。この映画は、ギミックばかりが際立って、話の面白さが伝わらない。何も読み解けない。 正直、退屈だった。

(17.01.03 ユジク阿佐ヶ谷にて鑑賞)

(評価:★2)

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