[コメント] キャプテン・フィリップス(2013/米)
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貨物船側は銃を装備してないし、対向出来るの数十本のホースだけとはいえ、あれだけ巨大な貨物船が、豆粒みたいなボートに乗っ取られるものなのか?と実際観てみないとピンと来ませんでした。乗っ取られるシーンを観てると、「あぁ〜、ホースの隙間から襲われたんだな」と気づくんだが、海賊側も命がけの覚悟で行かないと貨物船なんか絶対乗っ取れない。しかし海賊が貨物船に乗り込んでからは、あっという間にブリッジも占拠されてしまう。そっからは海賊のリーダーと、フィリップス艦長の心理戦が続きなかなか見応えがあります。コンタクトが取れない他の乗務員に、フィリップス艦長が海賊のリーダーに気づかされないように、「今からソコに行くぞ!ソコに行くからなー!」とデカイ声を出して無線越しで乗組員に気づかせるのは、ドリフのコントみたいで面白かったです。
後半になると、フィリップス艦長が海賊に拉致され、アメリカ海軍がやっと動き出すんだが、今度は海軍と海賊の心理戦になっていく。あとは「海軍はどのタイミングで行動に起こすのか?」「いつフィリップス艦長は助かるのか?」と、見守るだけの展開が割と長く続くので若干退屈でした。それでもグリーングラス節は健在で面白かったです。正直言うと、今回の映画は少し地味だなーと思いました。グリーングラスの過去の作品が、ハデ目なテーマを取り扱ってたからかもしれないが、ソマリア沖での海賊の実話なんで、激しい銃撃戦も無いし「実は乗組員の中にスパイが居た!」みたいな映画的な話にもならない。最後は海軍が時間に時間を掛けて、僕も救出のあまりの長さに船酔いになりながら(ウソですが)、じっくり構えていたスナイパーがワンショットで終わらせるあっけなさ。地味と言ってましたが、リアリティを重視するときっとそこがいいのだ。救助されて、女性に手当を受けてる最中に泣き出すフィリップス艦長。気が抜けたら涙が出たんだろう。女々しい涙で終わる所もリアリティでよい。
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