面白いんだか面白くないんだか。 終わってあれこれ考えるとよくまとまった話ではあるのだが、観ている最中はあまりテンションが上がらない。私がこの手のバカコメが合わないのか、スペイン人の感覚が分からないのか、アルモドバルのせいなのか・・・。

アルモドバルらしいキャラクター設定。真っ当な人物が一人もいない。 ところが話は意外に真っ当。トラブルを経ていろんなことが丸く収まる。実は話そのものは破綻していない。

マイノリティのためにマジョリティが存在しない映画を作るアルモドバル。 私は「世界三大珍味監督」と呼んでいるが、特殊な映画作家に思いがちだが、過去の作品群を振り返ってみると、意外に話運びは真っ当な場合も多い気がする。 ただ、真っ当な人間がいないから感情移入しにくいだけで。

あ、そうか。 真っ当な人間あるいはツッコむ側の人間がいないから、コメディーとしても面白くないのか。

(14.01.25 新宿ピカデリーにて鑑賞)