[コメント] 鑑定士と顔のない依頼人(2013/伊)
映画を見終った人むけのレビューです。
これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。
よくいく名古屋のミニシアター系の映画館の2013年度動員NO.1ということらしかったので、興味あったところに再映があり、早速鑑賞。
「恋に落ちた鑑定士」の心の移ろいを、ジェフリー・ラッシュが好演。そして、なんとなくそうじゃないかと思う結末を迎えて、「ふぬけ」になりつつも、「その眼」には光は失われていなかったように思う。
ちょっとビリー(ドナルド・サザーランド)が「ボス」だったのにはびっくり。そうすると、その「どんでん」は、結構成功率が「低い」様な気がするんだけど。だって、ヴァージルが覗き見していたとき、足を怪我したクレア(偽)は「下着をはいてなかった」よ。
それに「本物」も何度も登場しているわけだし、何度も紅茶を注文するときに「ポロっ」と誰かの口から話が出ないとも限らない。
だから、その「どんでん」が成功するために越えるハードルは高い。あの「美女画」たちをどうやって運び出したかも含めて。
それでも、後味がいいんです、結構。(ちょっと雨の日の「襲撃」の意味がわからないけど)
「みせかけ」のオークションの世界に生き、「美女の肖像」に囲まれることが「至福」の男に、降って沸いた「生身のぬくもり」。「老いらくの恋」という言葉では片付けられない、「人間としての素直な感情」→その結末。怖いよ。
あのオートマタが『ヒューゴの不思議な発明』のような存在かと思ったら、ちょっと違った。そこだけもう少し、活かしてほしかった。
「結末を知ると、物語の構図は一変する」とは映画予告編の文言。なるほどもう一度、その結末を踏まえて、見てみたい。
監督はトルナトーレ。音楽はモリコーネ。なるほど、それぞれ「らしい」つくりで感心した。
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