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[コメント] りんごのうかの少女(2013/日)

横浜聡子にはもっと自由に撮らせてほしい
ペペロンチーノ

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







私が“真性”と評し、その新作を楽しみにしている横浜聡子。 本作は弘前市がバックについてるらしい。企画・製作弘前市だもんね。

しかしね、自治体が製作に関わったせいかどうか、いや、そのせいだと勝手に決め付けるんだが、横浜聡子らしさが薄められているというか、有り体に言えば普通の話に陥っている気がする。

たしかに、『ジャーマン+雨』の衝撃を求め続けている俺も悪いんだが、こんな常識的な話なんか横浜聡子に求めていない。 彼女は「アッチの世界とコッチの世界の境目の浮遊感」が特徴な気がしているのだが、それも中盤まで。終盤は実にありきたりな親子もの。 おそらくね、勝手な推測だけど、彼女本来の“真性”の感覚の話だとお役人相手に企画が通らなかったんだろうな。でもそれじゃあ、彼女の作品の魅力が薄まっちゃうんだよ。 横浜聡子にはもっと自由に撮らせてほしい。

だいたいいつもそうなんだ。太宰治や棟方志功といった偉大な芸術家を輩出している青森県なんだが、そこの自治体が製作に関わってる映画ってのは、どうもね。『津軽百年食堂』とか。いやまあ、あれは大森一樹が悪いんだが。『弘高青春物語』とか。いやまあ、あれは自治体というより弘前高校のOB会みたいなところが製作で、鈴木清順が全面的に悪いんだが。

(13.12.14 渋谷ユーロスペースにて鑑賞)

(評価:★2)

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