[コメント] ルノワール 陽だまりの裸婦(2012/仏)
その昔「カメラ=万年筆」などと云い出した人がフランスあたりにあったそうだが、ここでのリー・ピンビンはさながら「カメラ=画筆」とでもいった手つきでもって画面を黄金の光線で染め上げている。とりわけクリスタ・テレが初めてルノワール邸の敷地に足を踏み入れる最序盤のシーンは息を呑む美しさだ。
しかしそのクリスタ・テレが務めたデデ役はどうやら裸体の具合が優先されたキャスティングのようで、顔と芝居に関してはベストではないだろう。ココ役のトマ・ドレ(『少年と自転車』の少年だ!)も無愛想な表情がよく目を惹いて出だしは快調だが、脚本はじゅうぶんに彼を活用しきれていない。思いのほか次男ジャン・ルノワールが大きな役を担って話を動かしていくので映画ファンとしては最後まで興味を持続して見ていられるものの、撮影偏重の映画という謗りを斥けることは難しい。
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