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[コメント] コレクター(2012/米=カナダ=仏)

ジョン・キューザックの娘の造型には難儀したことだろう。犯行パターンに従って「娼婦のような格好」でなければならない一方、同情の対象たる資格を得るべく「いい娘」でもあらねばならない。その点、敢えて不似合いのメイキャップを施してメイ・ホイットマンをやや不美人系に仕上げてみせたのは妙案だ。
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**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

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こういう映画って終盤のプロット・ツイスト(「ダラス・ロバーツには共犯がいた! しかもその共犯というのは……」)に話題が集まるものなのかしら。思い返せば少々しつこいくらいに伏線は張られていたし、日ごろからこの手のお話に慣れ親しんでいる観客には見え透いていたり不出来に思えたりするのかもしらないけれども、大概純真な私は素直にびっくり&感心してしまった。このプロット・ツイストが映画の眼目であるならば『羊たちの沈黙』のバッファロー・ビルと較べるまでもないロバーツのサイコ感不足も理に適っている。とは云え、私が思う映画の「面白さ」にとってそれらはほとんど関係を持たない。むしろ、邪悪な笑みを浮かべるジェニファー・カーペンターと真相に勘付いた風のホイットマンをカットバックしてみせるという安っぽいエンディングの臆面なさが喜ばしい。

(評価:★3)

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