[コメント] 三人の仲間(1938/米)
一人の美しい貴婦人を巡って三人の兵隊仲間が共謀する求愛と友愛の日々が、その理想家らしい公平さと青年の無邪気によって、中世の騎士道ロマンスのような永遠性と無常感を同時に成し遂げた。
精神的に強い親和性を示すのが『湖のランスロ』であることには、何の驚きもない。
夜毎の逢引きが繰り返されるベルリンの場末と令嬢の私邸の儚い夢のような煌めき。
崇拝者の心の琴線を奏でてやめないサラヴァンのディープでハスキーな声音にうっとりとさせられる。
『The Mortal Storm』といい、この監督の手にかかると、同じ女優の知られざるミューズの魅力が、数珠繋ぎに引き出される感じがする。
ボーゼイギは恋する男女の親密な空間と刹那の多幸感をせぐり上げるのが本当に上手い。
どんなに悲劇的な筋運びでも、そこだけ雪解けの太陽のように輝いていつまでも消えることがない。
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