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[コメント] her 世界でひとつの彼女(2013/米)

伝統的家族観の保守派を挑発する切り口でスパイク・ジョーンズらしい。こんな時代も来るのかなと思わせられる妙味はあった。そこに私はもういない遠い将来だろう、ということも含めての妙味。
寒山拾得

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







あの問題論文で杉田水脈は、LGBTを認めれば機械と結婚する権利も認めなければならなくなる、とか書いていた。両者の比較はあり得ない。しかし本作はじゃあ、あり得ない方との愛について考えようじゃないか、という作品と取れる。アメリカと日本の多様性へ向けての文脈は細部は違うが、本筋では合致するのだろう。

私には、自分の身体(とその欠損の恐怖)がないなら、感情は生じないと思われる。本作の人工知能型OSの(学習する)感情は極めて大量の文章の累積から成り立っており、それら文章を読解するために要請されたものに過ぎない。それは感情に似た何かに過ぎないだろう。まだHALのほうが感情向きの存在だろう。そんなことも考えさせられた。

(評価:★3)

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