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[コメント] ケープタウン(2013/仏=南アフリカ)

すんげー重たい重たい映画だ。見ごたえは十分。
プロキオン14

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







アパルトヘイトが終わっても、闇はまだまだ根深い南ア。格差は広がり、重犯罪なんて日常茶飯事。こういう映画があると、「日本はなんて平和なんだろう」とちょっとだけ安心もするし、他人事のような気もしてしまう。これは映画で、絵空事かもしれないが、確実に「こんな様なこと」は普通におきているんだろうという事が感じられる。

特に海岸での捜査のときの悲劇。真昼間のあんな明るい太陽と、美しい海のそばで、普通以上に血まみれな事件。なんだか「死亡フラグ」立った気がしたら、腕チョンパで、バッサリ。

そして家族らを巻き込んで、どんどん傷つきながら、それでも追い詰めてゆく様は圧巻。

オーリーもウィテカーも、超熱演。ウィテカーはともかく、全裸でがんばるオーリーにこんな社会派の映画に出るだけの裁量があるとは思わなかった。ただ、30代後半のオーリーに、あんな大きな「息子」がいるのにびっくり。てっきり「弟」だと思ったよ、最初は。

この映画で一番つらいのは、殺人事件でもなく、薬物をめぐる抗争でもなく、人知れず子供達が犠牲になってゆくところ。そして弱者達は、ひたすら弱者のまま踏みつけられる。

ああ、重い。つらい。後味も悪い。好きなジャンルの映画でもない。でも「見てよかった」といえる、大切な映画です。

(評価:★4)

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