[コメント] エクスペンダブルズ3 ワールドミッション(2014/米)
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80年代〜90年代にお馴染みだったアクションスターを多数集めてのお祭り映画『エクスペンダブルズ』(2010)ももう3作目。メンバーの入れ替わりもあり、今回はブルース・ウィリスがいなくなり、その代わりにウェズリー・スナイプス、ハリソン・フォード、アントニオ・バンデラスが仲間入り。更に敵としてメル・ギブソンと、またまた凄いメンバーが揃った。
ただ、流石に3作目。『エクスペンダブルズ』の時の衝撃や、『エクスペンダブルズ2』(2012)のノリの良さも、流石にマンネリと言った感じではある。
ただ、その代わりになるものが本作にはある。簡単に言えば、それはマンネリズムによる安心感というもの。3作ともなると、これまでのキャラ達の性格も把握できるし、B級アクションにこだわってそこから一歩も出ないことによって、物語の先を読めるようになって安心できるようになった。意外性がないのが悪いわけじゃない。特に本作に必要なのは、意外性じゃなくて安定性なのだから。
その安定性の中で、往年のアクション映画(の安)っぽい演出にこだわるわけだから、昔からのアクション映画ファンにとってはたまらない。
特に本作では一回メンバーの総入れ替えが行われているのが良い味になってる。新メンバーは基本若い。それは近代的なアクション映画に出来る。機械と肉体がマッチングしたとてもスマートな作戦を展開させられる。それはそれで良いのだが、その後で、80年代の泥臭いあくまで肉体と銃に頼る作戦展開に持って行く事によって、「やっぱこっちの方が安心できるわ」と思わせてくれるところが小憎いところだ。
…今気づいてしまったが、この手法、まさに『ロッキー4 炎の友情』(1985)でやったのと全く同じじゃないか。スタローンらしいなあ(更に言えば、あの作品で機械化ボクサー役だったラングレンがメカ音痴になってるのも良い対比になってる)。そして若い人間を育てきれず、結局自分が出張っていくというのは…やっぱり『ロッキー5』だよなあ。なるほどスタローン、これまでの憂さ晴らしにこの脚本書いたのか。これはスタローンにとっては、ある意味、これまでの(悪い意味での)総決算としてこの脚本を書いたって訳か。
キャラの使い方も面白いな。最初に刑務所から助け出したのがスナイプスってのは、実生活と思いっきりリンクしてるし、渋い役が多かったバンデラスが新世代のメンバーとして登場するも、喋りすぎで味噌っかすな役どころにあるとか、何よりハリソン・フォードの使い方が、そのままハン・ソロだってのが、分かってやってるだけに凄まじい。 そんなネタに浸れたのもよろしい。
…ちょっと点数高くしすぎた気がするけど、楽しかったからこれでよし。
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