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[コメント] ジミー、野を駆ける伝説(2014/英=アイルランド=仏)

ジミーズ・ホールでよかったんじゃないか?
ペペロンチーノ

ケン・ローチ先生はよく社会派と言われるけど、市井の人々を真っ直ぐに描く写実派の作家だと私は思っている。 だから『ジミー、野を駆ける伝説』なんていう英雄伝的なタイトルよりも「ジミーの集会所」って原題の方がシックリくる。 実際この映画は英雄伝ではなく、民衆の代弁者の物語なのです。

アイルランドの歴史は難しい。正直言って皮膚感覚では理解しきれない。 過剰な演出をしないこともあり、物語の中に自分の居場所がなかったというのも正直なところ。

それを無理矢理自分の物語に置き換えるなら、思想の話だと思う。 キリスト教にも思想統制の歴史はある。戦時下の日本と同じだ。この映画の若者たちが求めたのは反キリストではない。言わば“サブカル”にすぎない。それでも彼らは弾圧される。父親に鞭打たれちゃったりする。我々サブカル系の人間が枕を高くして寝ることができるのは、世界が平和だからだ。そういう有り難みを思い出させてくれる映画だと思う。

(15.01.17 ユナイテッド・シネマとしまえんにて鑑賞)

(評価:★3)

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