[コメント] おみおくりの作法(2013/英=伊)
淡々と他人のためだけに生き、他人の最期を好ましいアイテムを駆使して演出してゆくドラマはストイックで素晴らしくもあったのだが、それが最後にきて作為的なファンタジーに堕してしまう。どうして子供向けテイストのメープルシロップをからめるのか。
**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。
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主人公が縊死をこころみるも、はじめての生き甲斐に触れて人生に夢を感じ、生きようとしたところで訪れる事故。個人的には嫌いな演出だが、世のなかの皮肉を描くことでこれはこれでエスプリの効いた英国映画の仲間入りはできる。だが、無理やりのハッピーエンディングにはあきれ返った。これは『幸福の王子』などのファンタジーそのままの子供風味ではないか、とさすがにグッタリしてしまったのだ。こんなオチをつけずとも、葬儀の日の悲喜劇に映画観客がひとり思いついてほくそ笑むあたりがぴったりの妄想ではないか。そこに無理やりにポエムを押しつけるその厚顔さには恐れ入ってしまう。孤独は孤独だ。善行の報いはひっそりと人のこころの中に忍び寄るものだろうに。
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