[コメント] ペイン&ゲイン 史上最低の一攫千金(2013/米)
アメリカ版『冷たい熱帯魚』のような話、なのだが…。
件の作品が犯罪から「聖性」や「超越性」を拭い去って徹底的に卑俗な動機の卑俗な側面を描いたものなら、この作品はそこからさらに「陰惨さ」や「周到さ」もとっぱらってわら半紙1枚くらいの薄い薄い犯罪を描いている。しかしこの「しょうもなさ」こそリアルなのかもしれず、またアメリカ社会の「人間はすべからく成功すべく努力しなくてはならない」という、一見もっともだがよく考えるとかなり息苦しいイデオロギーをシニカルに突き放しているとも言え、馬鹿を描く映画だけど映画自体は決してバカ映画と侮ってはいけない作品だった。マイケル・ベイは意外と自分の作ってる映画の馬鹿馬鹿しさに自覚的なのかもしれない。
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