[コメント] 進撃の巨人 ATTACK ON TITAN エンド オブ ザ ワールド(2015/日)
映画を見終った人むけのレビューです。
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終始ビクついててサシャのほうにむしろ励まされているミカサなんて何だよっ、安定のミカサはどこ行った!とかは、もう諦めたとしても、ほんとに演出と脚本がしまらなかった。
つかまったエレンが処刑されようとしているところ、不発弾を回収し壁に向かうハンジたち一行の緊迫感のないもたついた感じは何だろう。よっぽど慌てて撮ったのか、状況の説明にしかなってないじゃん。ミカサが気を失った巨大エレンを引っ張り上げようとするシーン(だったか、何かほかの緊迫したシーン)の途中に、なぜハンジが瓦礫の山から息を吹き返して、昔日の火器を見つけて滑稽に狂喜するシーンを挟む必要があるのか? ひどいセンスだと思った。
終盤、映画のオリジナルのテーマとして「壁」に守られる安寧なのか、「壁」を壊す進化なのか、対立する概念とそれぞれが負うべき犠牲というテーマがシキシマたちから主人公たちに提示されながら、結局主人公たちはどう悩んで、どうあるべきという結論を出したのか、というところに触れず、あやふやなまま壁の穴を塞ぎ、壁の外に海を見つけてなんか納得してしまう。
とにかくあらゆる主義やモラルなんかよりも「自分がそれを知りたい」という気持ちこそが第一義なんだ、というのがテーマなら、それでもいいだろう。そうであればシキシマの「エレン、お前はお前の未来を生きろ!」という最後のセリフにも納得がいく。しかし、時に任務なんかそっちのけで、好奇心が行動を突き動かすようなエレンの衝動なんか、ほとんど感じられなかったけど。原作の改悪とかいうよりもそういうところがこの映画のダメだったところと思う。
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