長年二人で住んだ家（部屋）を売ろうとする熟年夫婦の話。売れたとしても、売れなかったとしても、二人のささやかな幸せに、根本的に影響はない。と僕なんかは思う。だから、だと思うが、売るのをやめることで二人の幸せが確められたという結末は、僕的には受け入れがたい。なんでこんな物語に付き合わされなきゃいけないの？売るというならちゃんと売ってみせてくれ。みたいに感じてしまう。

　結果として、姪っ子だとかいうリリー（シンシア・ニクソン）との関係を損ねていた。不動産屋という立場だから商売が動機であることは当たり前だけど、彼女が二人のために頑張ったことは事実だ。最後は二人のそれぞれを罵倒して後くされなく物語から退場する。でも、熟年夫婦のちっぽけな幸せを描くのに、身内を悪者に描く必要性はあるのでしょうか。

　まあ、二人のどうでもいい幸せだけは、甘ったるくならずに描けていた。それだけでも凄いことだ。だからこそ感じた反感ではあると思う。

80／100（23/1/23TV見）