[コメント] さざなみ(2015/英)
男の立たない映画。70/100
正直、開頭のファーストシーンで、つまんなそうな映画だなと予感してしまった(そしてその予感は当たった)。
興味深いテーマだとは思ったのだが、夫婦の在り方を描くというには人となりについて手掛かりが少なかったと思う。これでは、年ばかり重ねて心は未熟なままの人間にしか見えない。
一般論的に言えば、<夫婦間の危機>の訪れない夫婦はない。むしろ、長年連れ添えば連れ添うほど、<危機>は繰り返し何度も訪れて不思議でない。
したがって夫婦というものは、<それによって夫婦関係を解消した>夫婦か、<にも関わらず夫婦であることを維持した>夫婦かに大別できる。夫婦とは何であるかを考えれば、実際に夫婦と言えるのは後者のみだ。
僕自身は、映画というものは、人間性の善か、明るい側面を描いてほしい、さもなければ少なくとも面白くあってほしい、と思っている。
僕自身にそういう性向があるのは確かだが、本来なら、この映画のようにセンセーショナルな、スキャンダラスな、決定的な出来事は一切起こらずに、このような結末に至るストーリーが必要だったのではないか。それでは、分かりづらい映画だなと思って終わるのがオチかもしれないが。
まあ、分かりやすい映画ではあったろう。
(16/10/15見)
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