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[コメント] 世界から猫が消えたなら(2016/日)

少なくとも岩合光昭の番組は終わるよね。「世界イヌ歩き」になるかもしれないけど。
ペペロンチーノ

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







「生まれて“ありがとう”と言われて、“ありがとう”と言ってこの世を去る」物語。 そう考えるといい話なんですよね。

岡田惠和脚本だから観に行ったけど、ぶっちゃけ「余命いくばく物」って食傷気味じゃない? いや、だって、余命宣告されて気持ちの整理をつけてから死ねるなんて幸せな人、世の中そうそういるもんじゃないぜ。むしろ、不慮の事故で死んじゃったっていうクドカンの『TOO YOUNG TO DIE!』の方が正しい気がするんですよね。まだ観てないけど。まあ、ファンタジーだからいいのか。

そうは言っても、ホ・ジノ『八月のクリスマス』とか、フランソワ・オゾン『ぼくを葬る』とか、そしてもちろん黒澤明『生きる』とか、「余命いくばく物」の傑作は多々あるんです。 それらは、時代なのか、国柄なのか、変遷しているんですね。 『生きる』は“他人のために”何かを遺す物語。『八月のクリスマス』は“他人に迷惑をかけない”飛ぶ鳥跡を濁さずの物語。『ぼくを葬る』は“他人は関係なく”冷徹に自己を見つめる私的な物語。

これら真摯に死と向き合った映画らに対し、この「セカ猫」だか「猫消し」だか「猫殺しのジョニーウォーカー」だかいう映画は、ファンタジーにしたことで“真摯さ”から目を背けた上、とても自己中心的な話に見えるのです。 「世界はかけがえのない物でできている」って程度のことを気付くために、どんだけ他人を巻き込んでんのさ。

そう考えると、犬に食わせろ的な映画なような気がしてきた。 あ、世界わんわんめぐりって番組があった。

以下、余談というか私の勝手な主観を書きますね。

宮崎あおいタンが出てくると画面が引き締まるんです。いやいや、あおいタンはどんな作品でも自然体で“浮かない”女優のはずなんです。例え『NANA』でも浮かない。でも、あれ?この映画ではあおいタンが画面を変えちゃう。いつからそんな女優になった?と思っていたら、濱田岳が出てきても画面が締まる。原田美枝子が出てきても締まる。ああ、なんだ。大きな声じゃ言えないけど、主役がアレなんだと思う。ゴニョゴニョ。ま、私の主観ですけど。

(16.06.05 ユナイテッド・シネマとしまえんにて鑑賞)

(評価:★2)

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