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[コメント] 女が階段を上る時(1960/日)

華やかで煌びやかな銀座のママが、あんな私生活を抱えていると知ったらゲンナリするなぁ。
青山実花

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







高峰秀子のあまりな八方塞な様子に、こちらの気持ちまで暗くなる。特に実家の現状。気が弱く、妻に逃げられ、裁判にまでかけられている兄。足が不自由な甥っ子。いつでもどこでも、金金金の話ばかりで、この人たちに楽な暮らしが出来る日など、生涯訪れる事はない気がするほど辛い。

男性関係においてもそうだ。やっと結婚出来そうな相手が見つかったと思ったら、実は妻子持ちだったのを隠されていた事が分かり、あれほど貞操を守ってきたのに、やっと結ばれた森雅之は、明日大阪に転勤でもう二度と会う事はないだろうと思われる別れ。そりゃあ、泣きたくもなる。

そもそも高峰秀子は、生き馬の目を抜くような夜の銀座を泳ぐママには見えない。加東大介が言ったように、普通の奥さんにでもなった方がよほど似合う佇まい。何より華が無いし、喋り方もオバサンっぽい。せいぜい喫茶店のママがいい所か。

合わない道に入っちゃったのかなぁって。仕事を続ける気なら、もっともっと強かで、狡猾に生きた方がいいよと言いたくなるラスト。

(評価:★3)

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