[コメント] わたしの名前は...(2013/仏)
孤独なおじさんと傷ついた少女とのロードムービーという基本的な骨格は悪くないし、特に題名に込められた思いにはぐっとくるものがあった。
**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。
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ただ一本の映画として見たときに、「これはホントに必要なシーンか?」と感じた部分が少なくなかったのも事実だ。
唐突に現れる何だか安物のデジタルビデオカメラで撮ったようなシーンとか、色調を変えたシーンなどもそうだが、それはまあ、本職は映画監督ではない人が、自らの「美意識」故にやらかした、というと言い方は悪いが、こだわりで入れたのだろうと思えなくもない。
しかしあの白塗り二人のダンスシーンとか、イギリスに旅したいと途中から乗り込んできた若者など、どう考えてもてもいらないんじゃないか思えて仕方ない。もっとはっきり言えば、あと10〜20分くらい尺を縮めて本筋に絞った方が良かったんじゃないのかと思える。
その本筋で、少女と運転手の初めての邂逅で、少女は名前を聞かれて口ごもり、それがそのまま受け入れられる。これが大事なんだろうなあと思えて仕方ない。
本作はハッピーエンドとは言えない終わり方であり、それゆえハートフルとはいえないかもしれないが、心の底をほっとさせるようなささやかな嬉しさ、人生への肯定的な態度みたいなものがあると思う。
それに触れただけでも見て良かったと言える一本だった。
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