[コメント] ロック・ザ・カスバ!(2015/米)
映画を見終った人むけのレビューです。
これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。
本作のエンドクレジットでは実際にアフガニスタンの「アフガン・スター」に出場した女性たちへの献辞が述べられている。
それを見るまでは完全なフィクションだと思っていた。気になって少し調べると、「アフガン・スター」というTV公開オーディション番組はアフガニスタンで実際に放映されたものであり、そこに出演した女性が殺害の脅迫を受け、出演後に隠遁生活を余儀なくされたこともあったらしい。この経過は2009年に製作されたドキュメンタリ―映画『アフガン・スター』(日本未公開らしい)にもなっているとのこと。
これが実話をベースにした物語かと思ってみると、いったい何しに出てきているのかよくわからんなあと感じるほどチョイ役だったブルース・ウィリスなんかも何だか渋く思えてくるからちょっと不思議。
本作は全体としては軽快なテンポとタッチで、流れ流れたアフガニスタンで一攫千金めざして大冒険!的な明るい雰囲気もあり、それはまあそれで、楽しい映画になっている。それだけでも見た甲斐のある一本だが、この映画の背景にあった事実を知ると、格段に味わいが出てくる。
その一例は、初めてヒロインのリーム・リューバニが「アフガン・スター」に出演した時にビル・マーレイが、ステージのおり際に軽い演出をして動きをつけようとしたのに対し、楽屋にいた他の出場者から「女が人前で踊るなんてとんでもない」みたいなことを言われたシーン。
どうもこれは実際に起きた話がもとになっているらしい。「アフガン・スター」に出場したある女性が感極まって歌いながら踊ってしまったところ、他の出場者から「ありえない」「私だったら絶対にしない」と総スカンを食らい、さらにそれだけでなく、もともと女性の出場を快く思っていなかった保守派から殺害予告を受け、故郷に帰ることもできずに隠棲したそうである。
そういうことを知って、振り返ってみると本作は流石は『レインマン』のバリー・レヴィンソン監督かと思わずにはいられない。
<追記> ついでに言えば、本作でビル・マーレイが撃たれる直前の台詞、麻薬栽培や武器商売こそCIAの思うツボだみたいな台詞は、事実を題材にとった映画だという本作の背景を知ると、まったく違った印象を受ける。そのことを知らずに見ていた時は「ふーん」という印象だったが、事実を知った今にして思えばまさに「よく言った!」という喝采モノの一本だ。
(評価:)
投票
| このコメントを気に入った人達 (0 人) | 投票はまだありません |
コメンテータ(コメントを公開している登録ユーザ)は他の人のコメントに投票ができます。なお、自分のものには投票できません。