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[コメント] ザ・ファーム 法律事務所(1993/米)

言葉と言葉の応酬が楽しめた。本格サスペンスの傑作。
G31

弁護士を目指すアッタマイイ主人公が、周りの海千山千のアッタマイイ連中を相手に、法律を駆使し頭の良さで勝負を挑む、という構図が本格派サスペンスとしてうまく機能。言葉で追い詰め、言葉で窮地から逃れる、その応酬が楽しめた。もっと英語がわかれば!と感じさせられた。

ジョングリ原作の映画は、ある種アメリカ社会の持つ価値観を先鋭化して提示してくれるので、感情的な好悪は別として、興味深い。

この映画でも弁護士の守秘義務(顧客情報の)はどこまで優先されるべきか、というのがサブテーマの一つになっているが、アメリカ社会が「チクリ魔」を嫌う度合いには、かなり強烈なものがあると感じた。もちろん日本でもチクリ魔は軽蔑されるが、場合によっては告発もOK!という価値観は、(日本では)かなり並存しているように思うのだが。

まあ弁護士サイドのプロパガンダ映画と見ることもできないではないが。

映画としては、甘えのない冷酷な結末まで一気に見せてくれる。本格サスペンスの傑作と言っていい。

どう見てもハーバード卒のエリートには見えない、という意見の方もいるようですが、頭脳明晰で野心に燃える将来有望な若者を演じさせたら、当時のトム・クルーズの右に出るものはちょっといなかったんじゃないかな? そういう意味で、ハックマンなども含め、配役もよかった。

80/100(01/01/17記)

(評価:★4)

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