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[コメント] ティエリー・トグルドーの憂鬱(2015/仏)

ささやかな人生にあるのは、幸せばかりではない。悩みも苦しみも怒りもやるせなさも、みんなある。そのささやかな人生を、いっさいのBGMを排して淡々と、まるでドキュメンタリーのように描く。こういうのもフランス映画だよなという雰囲気をまとった秀作。
シーチキン

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







本作は、前に見た名作『扉をたたく人』にも似ている。些細な間違いを自己責任の名目のもとにあげつらい、「仕方ない」の一言ですませていいのか、そんなことでいいのかと、ラストで敢然と背を向けた主人公の生きざまには敬服する。

しかし同時にそれまで描かれてきた生身の彼の生活を思うと、一方で「にもかかわらず」という彼の勇気に感動するとともに、他方ではその先にある苦難を思い暗澹たる気持ちにもなる。

(評価:★4)

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