[コメント] ザ・フライ(1986/米)
出てくる人々が、それぞれほんのちょっとずつ浅はかで、自分勝手で、欲深で、小狡いだけなんだけど、そこから生じる気持ちのすれ違いや僅かなボタンの掛け違いたるや、遺伝子レベルの凄まじさ。おおクローネンバーグ。
**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。
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そして我々観客は、愚かに踊り続ける登場人物たちを、あのヒヒの目で見守る、ってことなのかな。
酔ってくだを巻く主人公の愚痴にひたすら付き合ってやり、飛び回るハエを気にしながら(あの演技はアカデミー助演ヒヒ優賞ものの素晴らしさ)、主人公が無事ポッドから生還したら抱き着いて祝福してやり、絶対の安全圏から(唯一の転送成功者として)、彼らを無言で見守り続ける。
同胞を失った哀しみを宿す瞳で。
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