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[コメント] 女の中にいる他人(1966/日)

殺人を犯して罪の意識に耐えられないから身近な人に告白し、そして自首しようとする。そりゃ苦しいだろうし自首するのは正しい。でも。
なつめ

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







夫に殺人を告白された妻のほうは晴天の霹靂、なのに夫は「少し楽になったよ」なんて呑気なことを言っている。妻は子供もいるこの生活がどうなってしまうのかと不安でたまらず「自分たちが黙っていればわからないではないか」と夫の自首を止める。おまけにこの映画の中では、殺した女の夫から「自首するなんて馬鹿げている。忘れてくれていい」なんて言われてしまう。それでも自首しようとする夫に対して次第に「自分が楽になりたいだけじゃん」という意地悪な気持ちがわいてきてしまう。そう思う私の感覚もおかしいのかもしれない。でも、彼にとっては、自首するよりも「人を殺した」ということにおびえながらびくびく毎日を暮すほうが、よっぽど罰になるのではないかと思ったのだ。

正確なセリフを覚えていないのだけど、夫の「明日の朝、自首するよ…。表の門から堂々と出てゆきたい」と告白を聞いて、妻は「裏の門からこっそり出すしかなくなった」と決断する。怖いながらも印象的だった場面。

(評価:★4)

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