[コメント] ジェラシー(2013/仏)
モノクロ。登場人物の数も絞ってタイトにまとめた、初期ヌーヴェルバーグと見紛うような作品だ。例によって人物の行動原理、感情の裏付けは最小限にしか描かれない。映画はそれでいいのだ。
また、歩く人の映画として印象に残る。主人公ルイ・ガレルと恋人アナ・ムグラリス、そして、別れた妻が引き取っている娘、この3人で公園を歩く場面が、最も良いシーンだ。露天商のキャンディを盗み、ペロッと舐めたものを元に返す、というこのあたりの描写が楽しい。同時に、束の間の、或いは薄氷を踏むような幸福感の表出が切ない。前後の場面で、ムグラリスの情緒不安定な様子。何か強迫観念に駆られている状況が挿入されるのだ。
ラスト近く、拳銃の俯瞰カットを持ってきた後の展開の速さがいい。オフの銃声に続いて病室、さらに、路上のシーンから、一気にラストカットへ繋ぐ大胆なカッティングに唖然とする。
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