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[コメント] 大いなる旅路(1960/日)

盛岡駅。職員たちが、皆で加藤嘉を見送るシーンから始まる。東京の研修所へ行くという。出世コースに乗ったのだ。主人公の三國連太郎は、試験に落ちたので地元盛岡で機関士を目指す。
ゑぎ

 多分、加藤も三國も二十代半ばの設定だと思うが、三國はともかく、加藤は、別の俳優はいなかったのかと思ってしまうルックスなのだ。調べると当時57歳ぐらいだ。ただし、この映画、この後約30年の年月を描くわけだし、劇中、加藤は、駅長(駅名は伏しておくが、鉄道発祥の駅)にまでなるということもあり、彼ぐらいの押し出しが必要だったのだろう。

 さて、この映画、目を瞠るような画面が目白押しだ。まずは冒頭から雪、吹雪の造型が実にいい。ちょっと大きめの雪が、画面の手前を埋め尽くすように降っている、でも画面奥の人物や被写体もちゃんと認識できる、といった見せ方に感動する。機関車の走行シーンはどれも臨場感のある演出だが、序盤の、まだ三國が機関助手の頃のシーンで、荷物を運んでくれと仲間(花澤徳衛)から頼まれて、風見章子を屋根のない吹きさらしの貨物車両へ乗せ、運ぶ場面が素晴らしい。めっちゃ寒そう!この後、ホンモノの蒸気機関車が、雪崩によって脱線し、斜面を横転するカットがあるが、私は、風見章子を運ぶカットの方が、吃驚させられた。

 ということで、三國は風見と結婚し、子供が4人できる。子供たちはすぐに成長し、南廣、高倉健、中村賀津雄、小宮光江になる。南廣は国鉄に勤めるが、戦争が始まり、すぐに出征し、高倉も国鉄へ入って、試験に通り東京の研修所へ。中村は、予科練を志願して入隊、小宮は悪い男に騙され捨てられる、といったドラマが描かれるのだが、ざっくり割愛しよう。正直、後半の人間ドラマの部分には、あまり驚かされるような演出はない。三國と風見が住む社宅だろうか、住居周りの描写、特に、何度も出てくる、走る機関車が見える土手の風景なんかが見どころだろう。

#その他配役等を備忘で記述しておきます。

・三國が行きつけの飲み屋の女給(馴染み)は星美智子。この人いい役。冒頭、こゝで三國が喧嘩するのは関山耕司。

・喧嘩した三國を盛岡警察に引き取りに来る上司が東野英治郎。三国が最初に下につく機関士は河野秋武。

・風見の母は英百合子。お盆の墓参の後、小学校の校庭で、加藤嘉と、その妻の利根はるみに会う。加藤嘉と利根の子供は、後の不良番長・梅宮辰夫とプレイガール・八代万智子。

・小宮光江を騙して捨てた男は長谷部健。その元情婦で飲み屋の女将に日高澄子。小宮が終盤一緒に暮らしているのは、真面目な山本麟一。名古屋の港湾労働者。

(評価:★3)

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