[コメント] グレート デイズ! 夢に挑んだ父と子(2013/仏)
失業の思わぬ効能が謳われており、被リストラ者の諸氏は勇気と希望を授かるだろう。などと皮肉めかした評を口走ってしまうのは本筋にいささかの感興も誘われないからだけれども、とまれ、息子に対して非道気味な無職親父を演じてもやっぱりジャック・ガンブランは惚れ惚れするほど格好よい。ルックスが。
また、アレクサンドラ・ラミーの過保護な母ぶりも微笑ましいリアリティを湛えている。
映画そのものはある種のどうでもよさを誇っていて、語りどころを見出すのにも難儀するが、強いて試みるならば、レース開始の号砲とともに無数の参加者たちが一斉に海に駆け込むさまを俯瞰したカットは、トライアスロン大会というよりもまるで野生動物か昆虫を撮って大自然の驚異を伝える映像のようで壮観だ。あるいは、ファビアン・エロー少年が何とも嬉しげというか誇らしげというか、おそらくは生涯未体験であろう感情を浮かべた顔に寄り、しめやかに溶暗で閉じてみせるラストカットにも甲斐性がある。
(評価:
)投票
このコメントを気に入った人達 (0 人) | 投票はまだありません |
コメンテータ(コメントを公開している登録ユーザ)は他の人のコメントに投票ができます。なお、自分のものには投票できません。