[コメント] 赤い玉、(2015/日)
肩を落とし背を丸めた奥田瑛二のぶざまな立ち姿に死臭が漂う。おじさんのおじさんによるおじさんのための、この情けない話に共感など微塵も湧かないが、それはおじさんである私の現状逃避であり自己欺瞞かもしれない。始まったカウントダウンは止まらないのに。
それにしても、いたって個人的な趣味の問題なのかもしれないが、村上由規乃のセーラー服姿にも、趣味の悪い下着のような衣装で腰をくねらせる踊りにも全然エロスを感じない。むしろ滑稽だ。いや、待て・・・この性的昂揚感のなさこそが「赤い玉」放出寸前の俺の「オス喪失」の証しなのか?
かつて俺は『棒の哀しみ』(94)や『恋極道』(97)でみせた奥田瑛二の、生真面目で不器用で、ひたすら状況に流される続ける男の姿に、自分の影を重ねて苦笑いしつつ共感したものだった。そんな男の成れの果て・・・を見る覚悟が、まだ俺には出来ていないようだ。
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