[コメント] フルスロットル(2014/米)
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『アルティメット』は実は未見。だったので、予告編やTVCMで「無重力アクション」をウリにしていても、「どうせリュック・ベッソンだし」とか思っていたし(『RUCY』で懲りた)、ポール・ウォーカー出てなかったら見逃したかもしれない。
ポール×ベッソン・・・もうカーアクション120%なんでしょ?どうせ・・・タイトルも『フルスロットル』だし・・・とか思ってた。そしたらダヴィッド・ベルのアクションにやられた。
元々ダヴィッドは「YAMAKASHI」の中心人物の一人なのだが、チームとは色々あって袂を分けたので、映画「ヤマカシ」には出演していないが、その後ベッソンと組んで『アルティメット』を製作したようだ(ウィキ調べ)。そういえば映画「ヤマカシ」も、身体能力高さにびっくりした。ベッソン映画の中ではかなりの異色。少なくとも私には「パルクール」は★5の出来栄えでした。
どうやら『アルティメット』とほぼ骨子は同じで、「パリ13区」を「デトロイト郊外の犯罪地区、通称“ブリックマンション”」に置き換えただけなのでしょうか?
「仕掛けられた爆弾の罠を、そっくりそのままロケットでとばして、反撃しよう」という発想は中々痛快だった。「真のワル」的な市長は、そのままふっ飛ばしちゃえ!って思った。その爆弾に関する「どんでん」も嫌いじゃない。
だけど、共通の敵ができたからって、あれだけ極悪集団のボスだったトレメインが「共闘」はまだしも、市長に立候補だって。あんたたちさっきまで殺し合いしてたでしょう?「善悪逆転」って好きなパターンだけど、そういうのでもないし、微妙だ。そのへんはやっぱりベッソン。だいたい麻薬販売の大元締めだぞ。そういう結末へ持っていくなら、せめてあのドS黒人女を死なせない展開でもよかったんじゃないかな?
とばっちりはポール・ウォーカー。主役なのに、アクションはリノ中心で、ダミアンはストーリーの中心なのだが、「父を殺したヤツへの復讐」→「麻薬取締り潜入捜査」としての動機付けが、最後で萎れた。主役としての存在感は感じられなかった。「遺作」がそんなでは、彼にとってさぞ心残りだろう。
そういえば、リノの動機(ブリックマンションは好きだが、ここで麻薬を売るな!)があるのに、なぜリノが大事な「ブツ」を預かることになったんだろう?う〜ん微妙だ。
というわけで、アクションで高得点だったけど、結局リュック・ベッソンらしい評価に落ち着きました。
せめて邦題は、少しは頭使ってほしい。そのまま「ブリック・マンション」では弱いのは仕方ないけど。せめて『フルチャージ』とか、『デトロイト・フルスロットル』とか、『ワイルド・マンション・フルスロットル』とか・・・それも微妙か。
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