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[コメント] 踏みはずした春(1958/日)

保護司を描いて寺田信義左幸子は真面目で、清順はネタ扱いだっただろう。清順は恋愛を描いているが、左は保護司活動を讃えている。そういうすれ違いが見えてしまう処がある。
寒山拾得

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
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ロケの頻発が嬉しく、当時の渋谷を記録していい資料だろう。舗装のない道、電車の車庫、はとバスからの車窓の眺め。代官山駅は同じ坂が残っている。元祖どっきりカメラの野呂圭介のデヴュー作、真ん丸目玉のチンピラ役でいい味出している。しかし彼が絡むクライマックスは、浅丘ルリ子が回復したら全部判るのに、という処で納得できず空振り気味。

が思いがけず訪ねてきたとき、左は顔じゅう髪の毛たらして表情が見えない。これは情念の描写なんだろう。これがとても印象に残る。カタカナで殴り書きする「コレデイインダ」。ラストの舗道はいい収束。似顔絵かきの商売は当時よくある設定。思えば贅沢なものである。旭がしている路地裏のキャッチセールスはあんなものだったのだろうか。旭のネクタイ拾われて再就職という好転はちと投げやりのまとめ過ぎとは思うが。

(評価:★3)

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